
ど~も~!綾町の森林セラピスト一福です。
夏休みになると綾町には多くの人が自然を楽しみに訪れます。綾町は里山であまり危険な場所はないように思いますが、それでも数年に一度はドクターヘリが出動しています。
服装や持ち物などちょっと工夫するだけで安全対策に繋がります。ぜひ安全対策をして綾町の自然をお楽しみください。
自然の中に行くときは長袖・長ズボン・歩きやすい靴が基本

綾町は自然の中で人が暮らしているせいか、訪れる方も日常の服装で見える方が多いようです。ただ、自然の中に入るときだけでも服装を変えると安全です。
必ず履き慣れた歩きやすい靴で

綾町が森林セラピーを始めたころ、団体の体験者の中にヒールが高い靴を履いている方がいらっしゃいました。歩きやすい自然の道でも、部分的に足元の悪い場所があります。結果的にこの方だけ別の案内人が着き、入り口近くの安全なところだけを回ってもらうという形になりました。
履き慣れた靴ならスニーカーでもウォーキングシューズでも構いません。ただ、靴裏のすべり止めはすり減っていないか確認しておきましょう。
水辺で遊ぶときには直前でサンダルなどに履き替えるのがおすすめです。
木々や草があるところでは肌をなるべくさらさない!

半袖半ズボンで過ごす綾町民も、庭仕事をするときは長袖長ズボンに着替えます。
次のような害のあるものと接触トラブルを防ぐためです。
- とげや小さな毛のもつ植物
- どこにでもいるマダニ
- 山ヒルや蛇、ハチなど山道で不意に出てくるもの
特に綾のてるは大吊橋あたりからは山ヒルが出ます。なるべく肌を出さず、山ヒルが入り込めない服装にしましょう。農業用のアームカバーや足カバーで隙間をつくらないようにするのがおすすめです。
アウトドアの服装のおすすめは綿?化繊?

山登りをする人たちは綿の服を避けるそうです。理由は、一度濡れるとなかなか乾かず体温が奪われるから。急な天気変化が起こる山では、綿より化繊のほうが重宝がられています。着替えとして化繊シャツを1枚持っておくのもおすすめです。
綿は燃えにくいので、バーベキューなど火を使うときにおすすめ。火を取り扱うときの軍手や服装は綿製品にしましょう。
自然の中で遊ぶのにおすすめの服装カラー

森林セラピーを案内するときは、「もしも」のときも考えつつ準備をします。服装や持ち物の色もその一つです。
黒・紺など暗い色&ナチュラルカラーは避ける
自然の中に行くときに黒っぽい色やナチュラルカラーをお勧めしない理由は2つ。
- 自然の色と同化しやすく、道迷いになると探す人が見つけにくい
- スズメバチやアシナガバチは黒っぽい濃い色を認識する。
ハチも刺激をしなけらばむやみに襲ってくることはありません。それでも何が刺激になるかはわからないので濃い色の服装は避けたほうが無難です。
もし、濃い色やナチュラルカラーの長袖しかない場合はインナーにして、明るい色の半袖Tシャツなどを上に着ましょう。
自然の中に行くときには明るいブルーを何か一つ身に着ける

先日(2023.6.24)NHKラジオを聴いていると民間の山岳遭難捜索チーム”Liss”代表 中村富士美さんの興味深い話が流れてきました。

山の中で一番目立つのは、きれいな青色。青いペットボトルのキャップ一つが遠くから目につきます。
数々の遭難者を探しだしている中村さんのおすすめは、「鮮やかな青」でした。山の中にほとんど存在しない色だそうです。目立ちそうな黄色や赤も、紅葉時期には山の色に紛れたり、褪せたものは自然の色と同化しやすいとか。
帽子や手ぬぐい、リュックなどの小物でもいいので、何か一つ「鮮やかな青」のものを身に着けておくのがおすすめとおっしゃっていました。
綾町の自然は照葉樹が多く紅葉がないので、今までは赤をメインに着ていましたが、これからは明るい青も取り入れようと思いました。
スマホでの映像はすぐにUP!”もしも”のときに役立つ!

もう一つ、中村富士美さんのお話でためになったのは、「スマホをぜひ持って行って、頻繁にUPすると遭難したときの捜索範囲がぐっと絞れる」というもの。
SNSでもLineにでも「これから山に入ります」とか、「ここまで来ました」とかリアルタイムで上げて誰かに知らせておくと、捜索のときにとても助かるそうです。
綾町で遊ぶときにも、ぜひ、スマホで写真を撮ってSNSに上げてください。「#綾町」で!(ただし、てるは大吊橋から先はスマホの電波は届きません)
自然の中でのアクティビティを楽しく過ごす服装&持ち物

服装
- 長袖・長ズボン
- てるは大吊橋近辺の山道を行くときには、アームカバーや足カバーで山ヒルを防御。軍手もはめるとベスト。
- 山ヒルが出るあたりではパーカーはNG。帽子の部分に山ヒルが入る。
- 履き慣れた歩きやすい靴
- 帽子・首元に手ぬぐい(熱中症予防)
- 服装か小物に鮮やかな青を取り入れる
アウトドアの安全対策として持っておきたい物

- 熱中症予防のための水分(必須)
- スマートフォン&モバイルバッテリー
- 虫よけスプレー(殺虫剤は生態系を壊すので使用しない)
- 簡易の救急キット(きれいな水、湿潤ばんそうこう、テーピングテープ、虫刺されの薬、常備薬)
- 緊急用の食料(私はビスコを必携)
- カッパなどの雨具
- 着替えor保温用のアルミシート(100均でも手に入る)
- 風呂敷(三角巾としても使用できる)
- 水辺に行くときは、大人も使える浮き輪。子どもはライフジャケット必須。
アウトドアを楽しむために安全対策は十分に!

山の遭難の多くは低い山で起こるそうです。最初はちょっとした道迷いだとか。歩ける場所が多いほど道迷い(迷子)は起こりやすいです。また、綾町での水の事故はほとんどが中高生だったと記憶しています。
”これくらいは大丈夫じゃないか?”とつい思ってしまうのでしょう。
森や川はリフレッシュできる場所ですが、危険も潜んでいます。いつもと違う場所という認識を持ち、何かがあったときの対策をしておくとゆとりをもって楽しめます。
子どもから目を離さないとか、雨が降ったあと数日は川に近づかないなど行動の安全対策も忘れずに、夏休みは綾町の自然の中でお楽しみください。